【メディアディレクターコラム】 第9回 IBJJFアジアの私的ベストマッチ
【メディアディレクターコラム】 第9回 IBJJFアジアの私的ベストマッチ
メディアディレクターコラム
IBJJFアジアのレポートを全部入れ終わった。
アダルト黒帯・男女からジュブナイル青帯までを網羅して全部で6本、我ながらよくやったと自負している。
今大会はIBJJF仕切りで運営・仕切りともIBJJFが行うため、ムンジアルのようにマット10面で一気にカテゴリーごとの決勝戦が行われる。その全てをカバーするのは至難の業だ。
オフィシャルカメラも兼任しており、自分の担当マットだったマット1&2と9&10の撮影をしつつ、どこのマットで決勝戦が行われるかを随時チェック。
さらに決勝戦のポイントなども記録していくという同時並行作業はなかなかのハードさであった。
残念ながらすべての決勝戦をカバーすることはできなかったが、おおよその主要カテゴリーは記録できたので、それらをぜひレポートでチェックして欲しい。
レポートでは主に決勝戦をレポートしており、そこで触れられなかった決勝戦以外の試合の中で記憶に残るベストマッチのいくつかを紹介したい。
昨年の大会と同様に今年もIBJJFアジアはJBJJFのオフィシャルYouTubeチャンネルにアップされ、有料ではあるが視聴可能とのことなので、ぜひ課金のメンバーシップの方々に見て欲しい試合をピックアップしていく。
アダルト黒帯フェザー
ダニーロ・ハマザキ
vs
チョ・ジュンヨン
個人的に今大会のベストバウトはこの試合。優勝候補の1人だったチョ(過去にヨーロピアン3位入賞の実績がある強豪)に対し、臆することなく全力ファイトを仕掛けて一進一退の攻防の末に逆転勝ちしたダニーロの怒涛の攻めは必見。勝敗を決する決定打となった渾身のタックルはまさに魂の一発というに相応しい爆発力があった。
マスター4黒帯ミディアムヘビー・1回戦
高本裕和
vs
エドゥアルド・テレス
昨年のワールドマスター王者で国内では敵なし状態の高本が世界的に名が知られているレジェンドといってもいいエドゥアルド・テレスを得意技のカーフスライサーで一本勝ちした。テレスから一本勝ちしたことで世界でも名が知られたことだろう。来月に迫ったワールドマスター2連覇に期待。
アダルト紫帯フェザー
ソン・ウォンジェ
vs
ラファエル・ペレイラ
KITで2連勝&AJPグランドスラム王者のソンはフットロックの名手。対するラファエルはDEEPでも活躍中のMMA&柔術の二刀流の選手。実はKIT9で組む予定だったカードが今大会で実現し、結果はソンがフットロックで一本勝ちし、そのまま全試合極めまくって優勝した。この極め力はホンモノだ。
アダルト黒帯ライト・1回戦
マイケ・オオウラ
vs
村井俊太
KITのレギュラー選手、村井は富山で柔術やっている、いわばローカル選手だが、昨年のJBJJF全日本王者でブラジル帰りのトップ選手であるマイケ相手に持ち前の鉄壁のガードワークを見せてマイケの変幻自在のパスを許さず、最後まで僅差の試合展開を見せた。2-2/1-0の1アドバン差で敗れたとはいえ、この試合ぶりはお見事という他ない。
アダルト黒帯フェザー・平田孝士朗の1回戦
対戦相手の韓国人選手の名前は失念したが、国内トップ選手の一角である平田がまさかの初戦敗退、しかも一本負けは衝撃だった。最初に平田がパスガードされたのも驚いたが、その後に逆転して優位に試合を進めるも三角絞めを極められてタップアウト。韓国勢の強さがここまでとは思わなかった。そして平田に勝ったこの選手も2回戦で韓国人選手に負け。韓国人選手、恐るべし!
アダルト黒帯フェザー準決勝
鈴木和宏
vs
ユン・ミンホ
昨年のJBJJF全日本王者・鈴木が韓国のユンに挑んだ一戦はユンが2ポイント先取し、鈴木が追う展開に。ここで鈴木の得意技であるレッスルアップを幾度となく仕掛けるも、ユンは強靭なフィジカルでことごとくディフェンス。1回のテイクダウンかスイープでアドバン差で勝利となるが、最後までユンがこの2ポイントを守り切って勝利、そのまま決勝も勝って優勝となった。
アダルト黒帯オープンクラス
グラント・ボグダノフ
vs
藤田大
ミディアムヘビー1回戦で場外逃避のDQ負けだったグラントがオープンクラスで見せた試合ぶりがお見事だった。藤田が若さと勢いに任せた荒々しいファイトをきっちりと受け止め、さらにカウンターで切り返して確実にポジションを奪っていく安定感はさすが。藤田が得意とする袖車も完璧な防御で、つけいる隙を寸分も見せなかった。
ここに挙げた試合はどれも甲乙つけがたい好勝負ばかり。
YouTubeにアップされた際にはぜひチェックして欲しい。
【IBJJFアジア・レポート】