キッズアスリートの柔術ライフ、カルペディエム深川・佐藤樹生君の場合
キッズアスリートの柔術ライフ、カルペディエム深川・佐藤樹生君の場合
Interview
2024年8月、JBJJF「全日本キッズ柔術選手権」が行われ、今年も多くの盛り上がりを見せた後、大会は成功裏に幕を閉じた。
キッズの柔術シーンは、年々レベルが上がっている。
キッズに力を入れる道場では、競技志向のキッズ達を強化する「コンペティションクラス」が珍しいものではなくなり、全日本キッズのような国内最高の舞台で表彰台に上がるためには、相応の練習やトレーニングが欠かせない。
その一方、海外のトップアカデミーに通い、柔術アスリートを目指すキッズ達の中には、学校に行かずホームスクールで勉強しながら、毎日何時間もの練習を行っている子も多いというから驚く。
もちろん、夢や目標は様々であり、世界大会が柔術のゴールでもない。
また、日本にホームスクールという制度もないため、海外キッズのように「柔術漬け」の日々を送るということは現実的ではないだろう。
それでも、環境作りや周囲のサポートなど、日本に居てできることはある。
では、国内の柔術シーンで活躍しているキッズ達は、どのような練習環境やスケジュールのもとで柔術に打ち込んでいるのだろうか。先の全日本キッズ・ジュニア1黄帯フェザー級で優勝し、大会連覇を成し遂げたカルペディエム深川の佐藤樹生君(小5)の柔術ライフを聞いてみた。
私立の小学校に通っているため、勉強を疎かにできない樹生君は、平日の練習こそ1コマながら、所属するカルペディエム深川だけでなく、他のカルペディエム支部や、プライベートレッスン、レスリングスクールなどにも通うことで、効率的に技術練とスパーリングを積み重ねているという。
また、学校のない土日は、柔術の練習に加え、体操や水泳といった運動機能を伸ばすようなトレーニングを取り入れているほか、紫帯の父・樹祥さんが、マネジメントをする形で一緒に練習を振り返るなど、常にやるべきことや課題を明確にしているという。
試合では、対戦相手の子に失礼だからと勝っても喜んだりせず、淡々と勝ち名乗りを受ける樹生君。深川道場のキッズクラスでは、帯下の子達の教え役に回ることも増えており、道場のエースという自覚も芽生えているようだ。
ここでは、そんな樹生君の声も紹介しておきたい。
――8月の全日本キッズで優勝しましたね。まずは、感想教えてください。
樹生君:去年1回負けた子と試合決勝で当たって、なんとか腕十字を極めることができたのも嬉しかったですが、シュシャ先生がセコンドで元気付けてくれて、勝ったときは僕以上に喜んでくれたのがもっと嬉しかったです。
――去年の全日本キッズでは、灰帯で優勝しましたね。去年は灰帯で、今年は黄帯で優勝。対戦する相手のレベルも高かったと思いますが、自分では、去年からどう強くなったと思っていますか?
樹生君:去年は上(トップ)をやってる時にベースを崩されたり、パスガードが上手くできなかったりしていたけど、レスリングをやり始めてから、上が強くなってきたと思います。
――普段、シュシャ先生から言われていることで、試合に活かせたことはありますか?
樹生君:腕十字や、三角から腕十字にいくときに、お尻を横に出して相手の頭をおさえてって言われているのが、ちょっと意識できたかなって思います。
――ちゃんと意識している技のディテールを説明できるんですね。今は、深川道場のキッズクラスを手伝ったりしていますよね。これから深川道場のキッズクラスは、どういうクラスになってほしいですか?
樹生君:みんな帯の上の方になって、みんな強くて、みんな真面目なクラスになってほしいです。
――周りが強くなると、樹生君も強い練習相手と練習できるから、みんなが強くなってくれた方がいいですよね。そうなるように、頑張っていることはありますか?
樹生君:小さい子や初心者の子には教えながらスパーしています。まだちょっと教え方が微妙だけど、最近はうまくなってきたと思います。
――それはシュシャ先生とか、自分が習ってる先生の教え方を参考にしているのですか?
樹生君:シュシャ先生とかビクトル先生、服部先生みたいに優しく教えてます。泣かない程度に。
――泣かない程度に(笑)。じゃあ、これからの柔術の目標を教えてください。
樹生君:去年も全日本キッズで優勝できたんで、来年も3連覇目指して頑張ります。
あと、お父さんと服部先生を早く倒したいです。
――今やったらもうできそうですけど、さすがまだ重いかな(笑)では、柔術に関係なく、将来の夢や目標はありますか?
樹生君:大人になったら優しくて強い人になりたいです。
――なるほど。理想の人物像があるんですね。これからも頑張ってください。
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カルペディエム深川では、2024年9月より「キッズコンペティションクラス」がスタートした。ビクトル・ロドリゲス&時任飛鳥の紫帯コンビが指導しており、現在は少数精鋭で行われているため、一人一人の実力をしっかり伸ばしてくれそうだ。