グラップリング史に残る大熱戦=ケイド・ルオトロ 対 アンドリュー・タケット戦をプレイバック!
グラップリング史に残る大熱戦=ケイド・ルオトロ 対 アンドリュー・タケット戦をプレイバック!
CJI=Craig Jones Invitational
現地時間8月17日(土)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのトーマス&マックセンターでは「CJI(Craig Jones Invitational)」の二日目が開催され、男子-80kgの準決勝戦でケイド・ルオトロ対アンドリュー・タケットの一戦が実現。試合はグラップリング史に残る大熱戦となった。
photo by 成田敏史
今大会の覇者となった、ONEライト級サブミッション・グラップリング世界王者ケイド・ルオトロは、9月にマイキー・ムスメシとの寝技頂上対決を控えている。
一方、昨年の「Unrivaled」に来日しているアンドリュー・タケットは、タケット兄弟の弟で、2003年5月生まれの21歳。過去のWNOでは、PJバーチやトミー・ランガカーにも勝利しており、今年の「ADCC West Coast Trial 2024」を制し、ADCC本戦出場を決めた後のCJI参戦だった。
初日の準々決勝戦後から「眠い」を連呼していたアンドリューだが、ケイドとの準々決勝戦は、のっけからハイスパートな展開に。
ダブルで飛び込んだアンドリューが一瞬ケイドを持ち上げるも、運動神経の塊=ケイドはすぐさま投げに転じた。それでもアンドリューはすぐに立ち上がり、両者がスタンドに戻ると、ケイドは投げでタケットをPITの壁に叩きつける。
バックにつくアンドリューに対し、ケイドは再度投げを試みるが、壁にぶつかるタイミングで、すっぽ抜けたアンドリューがバックテイクに成功。四の字フックからケイドの体を伸ばそうとするアンドリューがチョークを作る場面もあったが、ケイドが向き合い、スタンドに戻る。
いきなりの展開に大歓声が起こる場内。初回は3-0でアンドリューのラウンドになった。
2ラウンド。押し込んでくるケイドに対し、PITの壁に足をついて押し返すアンドリューは、今大会で様々な壁の傾斜を利用した動きを披露している。
そんなアンドリューは、シングルレッグを仕掛けるが、ケイドはカニバサミからヒールフックへ。さらにフットロックに切り替えるも、アンドリューは足を抜いてディフェンス。スタンドに戻ると、ケイドは払い腰でアンドリューを倒し、ダースチョークからノースサウスチョークのコンビネーションを見せるが、アンドリューがまたもエスケープすると、両者の極め合いに場内は拍手喝采だ。
ケイドがラウンドを取り返し、勝負は最終回へ。ダブルからバックに付くアンドリューは、ケイドの動きに合わせて上をとり、立ち上がったケイドに対し再びバックを狙ったが、身を捩ってこれを防いだケイドは、スタンドから豪快なダブルレッグでアンドリューを倒した。
残り1分、タックルにきたアンドリューに対し、ケイドはアナコンダチョークへ。必死に動き続けるアンドリューに対し、ケイドはギロチンから、残り1秒でフットチョークを見せたがここでタイムアップ。観客からは二人にスタンディングオベーションが送られた。
判定は、スプリットでケイドに軍配。勝ったケイドは「まず最初にタケットに脱帽だ」と話すと、アンドリューに拍手を送りつつ、決勝で対戦するリーヴァイ・ジョーンズレアリーの引き込み戦術をけん制することも忘れなかった。
なお、両者の一戦は、B-TeamのYoutubeチャンネルで公開されているので、視聴をオススメしたい。