賞金トーナメント優勝のエリック・メネギン「大鋳さんはマジで苦手」
賞金トーナメント優勝のエリック・メネギン「大鋳さんはマジで苦手」
買取大吉 presents KIT9
「買取大吉 presents KIT9」の61kg 賞金30万円トーナメントで優勝したエリック・メネギン(IGLOO)。
1回戦と2回戦を一本勝ちし、決勝戦は過去に2敗を喫していた天敵・横山大鋳に初勝利&リベンジを果たしてトーナメントを制した。
そんなエリックに大会直後の興奮も冷めやらぬ中でインタビューをお願いし、試合の振り返りや今後のプランなどを聞いてみた。
──はい、エリック・メネギン、KIT9が終わった直後で来てもらいました。優勝おめでございます。今回3試合で、1回戦と2回戦は1本勝ち。すごかったです。決勝戦だけレフリー判定で、その対戦相手の横山大鋳は結果的に全試合でレフェリー判定での勝ち上がりでした。横山大鋳、どうでしたか?
エリック:やっぱり難しかったですね。過去に2回も負けてるんで、まあ決勝で当たる予想はしてましたね。でも勝つために練習してきたんで安心はしてましたね。
──過去の賞金トーナメントの時もそうでしたが、上の階級から落とした人がやっぱり有利で、今回もエリックは10kg落としたと。やっぱ下から上げてくる選手よりも力の差って感じましたか?
エリック:それはやっぱ感じますね。練習はだいぶ上の選手たちとやってたんで力の差は感じます。
──横山大鋳戦に向けて対策みたいなのはあったんですか?
エリック:今回は作戦はずっと上の練習ばっかしてました。大鋳さんもガードがうまくて過去の試合を見るとだいたい全部ガードやってる感じなんで、ずっと上からの練習はしてきました。
──大鋳選手とは過去2回試合してたんですよね。1回はKITで、その他はどこでやってたんですか?
エリック:そのKITの後にJBJJFの全日本の1回戦でした。そこで負けてるんです。結局そのまま大鋳さんが優勝したんです。
──じゃあ優勝者に1回戦で当たったと。苦手意識ってやっぱあるんですか?
エリック:苦手ですね。大鋳さんはマジで苦手ですよ。
──過去に2回負けてて3度目の対戦だから、2度あることは3度ある、なのか、3度目の正直か?で、3度目の正直が出たと。
エリック:はい。だから絶対に今日どうしても勝ちたいっていう。もう3回目負けたらもうやばいと思ってたんで、どうにかしても勝たないといけないという気持ちはありました。
──今回勝ったか負けたかで30万円というのも懸かってる訳ですもんね。
エリック:30万円はデカいですね。過去2回の負けより今回の1回の勝ちはデカいですよね。
──でも今後も対戦する可能性はありますよね。
エリック:全然あると思います。その時はまた勝って引き分けにしたいです。それで2勝2敗のイーブンの決着戦ををKITでやります。
──今回のエリックのパフォーマンスは素晴らしかったですね。1回戦の篠田選手を絞めで1本勝ち。2回戦の正田皇輝に腕十字で1本。もう極めが強かったです。どっちも一発で極めましたね。そして割と早い試合時間で取り切ったって感じでした。
エリック:僕の試合はだいたい極めて勝つか、判定で負けるかなんですよね。だいたいポイントとかになると負けることが多いんですよ。なんでこういう極めのサブオンリーのKITのルールは意外と好きですね。別にポイントに気にしなくてガンガン攻めれるんで。
──エリックは練習仲間からすごい強いって意見をよく聞くんですが、大会での実績がほぼなかったんです。だからやっぱりトーナメント的にはIBJJFアジアで準優勝している篠田選手と無冠の帝王・エリック、みたいなトーナメントになりました。
エリック:勝てて嬉しかったですね。篠田君のIBJJFアジアでの試合を見てて何人かの足や膝をぶっ壊したんで、ちょっと怖かったです。
──いま足関節技の注目度が上がってる中で、その足関がうまい選手とエリックがやって、ここでバッサリやられちゃったらああ残念みたいになるけど、その1回戦を超えてからはポンポンって勢いがついた感じはありました。2回戦の正田選手がサドルロックからこうヒールフックのような形でフットロックを仕掛けてたじゃないですか。あれの極まり具合はどうでした?
エリック:ちょこっと効いてましたね。でもこれは絶対タップしないのは自分で分かってたんで。
──あれ事前にルール説明の時に確認してましたもんね。あれはありかどうかっていう。
エリック:でも全然あれではタップはしないと分かったんで、安心して外していきましたね。
──今回その正田選手は茶帯のデビュー戦で、茶帯vs黒帯になって、やっぱそこで茶帯に負けられないと手堅くいくのかなと思いきや、やっぱりそこでも極め切ったところがすごいなと思いました。ホント2人とも攻め合って、最後に極めたのがエリックっていうところがあったんで。
エリック:もう申し訳ないですけど茶帯には絶対負けられないんで、ガンガン極めにいきましたね。茶帯とやる時は負けたくないとか、負けたらどうしようとか、もちろんありましたよ。もうそこまでナーバスになる気持ちははなかったですけど、もうメンタルも出来上がってたんで。ただやっぱ負けれないですね。あっちは別に勝っても負けても何も変わらないじゃないですか。でも自分はいろんな道場で柔術を教えてる先生だし、茶帯には負けられない試合でしたね。
──このトーナメント、全部通しての感想はどうでしたか?減量だったり試合やってみてのことや、優勝っていうところも含めて。
エリック:減量はだいぶ辛かったですね。4週間で10kgも頑張って落としてきたので。まあ多分このトーナメントで僕以上に練習してる人はいないなというのは分かったんで、なのでそういう自信はあったんですよね。ブラジルからも帰ってきたばっかりですし、自信はありましたね。まあ練習でもサボらずにできたんで。
──ブラジルから帰ってきて、それですぐIBJJFアジアがあって、その1か月後にKITっていうのがいいタイミングだったのかもしれないですね。
エリック:ちょうどアジアにもフェザーで出るために力もつけて、そこから落としたんで、力がついたまま落とした感じなんで。
──その減量がすごい心配で。結構何度も体重を聞いてたんですよね。もう本当リザーバーを用意するぐらいの保険をかけたかったんだけど。でも大丈夫です、って言っていて。1月に出たAJPのグランドスラム時は何kgだったんですか?
エリック:あれは55.7とかまで落としてました。
──じゃあもうじゃあ61kgなら作れるんですね。
エリック:作れますね。AJPの時は水抜きなしで59.5ぐらいまで下げて、そこからまた55kgでした。
──1回その体重を作った実績があったから、本人ももう大丈夫、と。
エリック:そうですね。もう1回落としてたんで全然 61kgは全然できると思ってました。
──これからもじゃあまたライトフェザーで出ていくんですか?
エリック:はい、ライトフェザーで頑張って。で、ワールドプロとかAJPはまたあの56で調整してみたいと思ってます。
──お金が懸かった大会は落とす?
エリック:お金ってよりも前日計量の大会は56とかでやっていけるんですよね。当日計量はさすがに無理なんですけど。
──今回はもうエリックが最初から本当にいいパフォーマンスを出してくれてました。なんか調子良かった原因はありますか?
エリック:いやーわかんないですね。でも起きた時からめっちゃ元気でしたね。やっぱり最近は体重を落とせるのちょっと怖かったんで、毎日いろいろ考えながら生活をしてて、その計量をクリアした後には、なんかだい 気持ちが直って、朝から元気でしたね。
──それだけで苦労して苦労したからこそ、体格的なアドバンテージも得たし、それを活かして優勝して賞金を手にしたということですね。
エリック:その通りです。
──じゃあこの賞金は今後の海外大会の遠征費に使う?
エリック:はい、そのつもりでいます。
──次の大会の予定はどんなのがありますか?
エリック:次は9月に会員さんたちみんなで出たい大会があるので、そこに俺も一緒に 出ようかなっていう話になってます。で、あとは11月のアブダビのワールドプロ。あと12月のJBJJFの全日本ですね。
──引き続き活躍を期待しています。ありがとうございました。