前澤智コラム「前"さわ"智です」第2回「ADCC JAPAN TOKYO OPEN」
前澤智コラム「前"さわ"智です」第2回「ADCC JAPAN TOKYO OPEN」
女子柔術家・月イチコラム
コラム2回目です!
今回は、1/18に行われたADCC東京オープンについて、お話します。
正直、去年までADCCがどんなルールか、知らずにグラップリングをやっていました。
どうやら試合後半で、ポイントの増減があるみたいだということ。
"ルールを活用"しないと勝てないぞということ。
元々引き込みが苦手なので、試合出場を決めてからはテイクダウンとパスガードの練習を多くしていました。
柔道ベースではありますが、MMAや柔術を経て、寝転がる許容が身につき、背中をマットにつけることに嫌悪感は無くなりました。
「外国でノーギや道着の試合してみたいな=ADCCでたいな」
ざっくりした最近の目標でした。
でも不思議と周りにそう言ってると、どこからともなく情報がやってきたり、誰かが出れるように働きがけてくれたりします。
「東京オープンがあるよ」
去年からパラエストラ拝島で始めた、MMA女子練習会(参加者募集中)に来ていた選手に聞いた時に、それはもう勢いで申し込みフォームに飛んで行きました。
まったく英語ができないので、翻訳使いながら、友人に聞きながら、、
ジムの登録、振り込み、諸々、、、
こういうものは勢いが大事ですね。部屋の掃除なんかもそうですね(笑)。
エントリーをしたら、徐々に参加者が増えていきました。
名だたるメンバー。誰と当たっても地獄。試合の週は毎日、公式ホームページを見て、せめてトーナメントが自分の味方をしてくれないか願いましたが、結果は一回戦ありでした。
試合当日に計量しようと考えていたのですが、トーナメントが出て、試合時間までの間がしんどいなと思い、急遽前日計量に行きました。
周りの方が口々に仰ってたのは「前日にトーナメントってずいぶんギリギリだな」ということ。
確かに。
でも私が柔術紫帯で、まだ青森県八戸市に住んでいた時、
台東リバーサイドの会場に到着し、壁に貼られたトーナメント表を指差しして、自分の名前を探したのが懐かしく思えました。
当日対戦相手がわかる笑。
このコラムを読んでる方で、このことに共感をしてくれる方がどのくらいいるかわかりませんが笑。
その時よりは強くなったと思い、出場した今回のADCCでしたが、結果は1回戦で敗退してしまいました。
後半パスガードされ、バックキープを許してしまい、挽回できずに終わりました。
前半はテイクダウンとパスガード、マウントまで行き、そこからキムラ、チョイバーの展開があったのですが、足の置く場所が不十分で腕を極めることができませんでした。
そこから腕十字を取られそうになる展開もあり、タップはしなかったものの、内心ヒヤッとしました。
試合中、自分が脳内で自分自身と会話するような感覚に陥ることがあるのですが、
腕十字を取られている時も、あとで動画を見てみると、たった数秒なのですが、
本人は会話を数回キャッチボールするくらい、じっくり過ごしている気分になる、なんとも不思議な空間でした。
「タップする?」
「明日も仕事だし、、」
「しちゃう?」
「いやいやいや!」
「ダメでしょ、タップしちゃ。」
「あんなにみんなに練習付き合ってもらったじゃん!」
「腕の一本いいでしょ!今回は」
「今ふんばれ!」
「自分で負けちゃダメでしょ」
「折れてもいいから我慢して!」
覚えてる限りだとこういう会話だったと思います。
ポイントが加算される2分59秒に、ハーフガードになっていたのが全ての敗因だと思います。
強くて当たり前の人たちが出場しているジャングルでは、一瞬の判断ミスが命取りになると再確認できました。
会話してる暇があったら、身体が先に動くくらい練習しないと!
試合まえ
[ちょもさんなら誰が相手でも大丈夫です!]
試合あと
[何があっても前に進む者こそ最後の勝者です!]
と会員さんに言われました。
(この2人は柔術家カップル)
会ったことがない偉人の本に載っているような言葉よりも、昨日までスパーしてくれた仲間の言葉が私を励まし、奮い立たせてくれます。
まだまだ教わることが多い指導者ですが、今回チャレンジできたことで、次戦に繋がる一歩を踏み出すことができました。勢い大事!ただ勢いだけだと負ける、と。
次は2/23のKIT10です!
コラム読んでる方で、少しでも私に興味持ってくれた方はご視聴、観戦よろしくお願いします!
私が勝つまで見守っていてください!
前澤智(まえさわ・とも)
リバーサルジム東京スタンドアウト所属