[柔術道場経営者インタビュー]コロナ禍で参入決意? カルペディエム深川・佐藤オーナーに訊く - 前編
[柔術道場経営者インタビュー]コロナ禍で参入決意? カルペディエム深川・佐藤オーナーに訊く - 前編
CARPE DIEM FUKAGAWA
ブラジリアン柔術道場の経営者インタビューシリーズ。初回は、都内・江東区森下にある「カルペディエム深川」の佐藤樹祥オーナーにご登場いただく。
今春、オープンから約1年で会員が100名を超える下町の人気道場となったカルペディエム深川。運営母体となるのは、佐藤オーナーが社長を務めるイベント用品の製作&レンタルを手掛ける株式会社アキザトだ。
コロナ禍によってイベント業が大打撃を受け、アキザトもまた苦境に追い込まれる最中、佐藤オーナーはなぜ柔術道場の経営(運営)に乗り出したのか。
自身も紫帯を巻く佐藤オーナーは、昨年の全日本キッズ王者で息子の樹生君とともに柔術を生き甲斐にする一人でもある。それゆえにコロナ禍であっても、リスク以上に柔術が持つ魅力や可能性を信じていたという。
経営者の視点から道場経営を語る貴重なインタビューは、前後編の2回に分けて掲載したい。
佐藤オーナーが師匠と呼ぶ二人。石川祐樹カルペディエム代表(左)と、岩崎正寛カルペディエム芦屋代表(中央)。佐藤オーナーは岩崎氏の直系ハーフガーダ―でもある (C) カルペディエム深川
――まずは、カルペディエム深川を立ち上げたきっかけを教えてください。
佐藤:きっかけはコロナ禍ですね。
2020年のコロナ禍で、本業であるイベント業界が大打撃を受けました。
飲食業界は売上半分になって、ニュースに取り上げられていましたが、イベント業界はその比ではなく、売上3%とかほとんど無収入でした。
イベント商品を扱っているアキザトは人を集めるのが仕事。集客のアキザト。そこへきて「三密」禁止となってしまうと、存在そのものが否定されてしまう会社なんです。
――娯楽関連が突出して大打撃を受けたという報道もありましたが、倒産のリスクなどもあったのでしょうか?
佐藤:アキザトグループはイベントの他に不動産部門や投資部門もありますし、内部留保もあったので、会社の体力でコロナ禍3年間は何とか耐えられました。
ただ今後、また感染症が流行ると同じようなことになりかねません。かなり危機感を持ちました。
会社の体力があるうちにリスクヘッジの別事業をやってみようと思ったのですが、異業種参入ですから、ノウハウがないのでまずはフランチャイズショーなどに行って情報を集めてました。
――柔術ありきではなく、会社の別事業としてフランチャイズを検討していたというのは意外でした。
佐藤:そんな時、カルペディエム総代表の石川先生がご自身のラジオなどで、「江東区にカルペディエムの支部を出す方がいたらバックアップします」というのを聞きつけたんです。
異業種はどれを選んでも初心者。だったら好きな柔術も悪くないのではと。コロナ禍であっても体を動かすことや柔術には中毒性がある。マスクをして苦しいスパーリングでも会員さんは通っている。コロナ禍の緊急事態宣言で閉鎖など、一時的な打撃はあるにしても会員さんは戻ってくる。役所など公的機関が中止を決定するイベント業に比べたら、充分リスクヘッジになるのではと思いました。
――「柔術の中毒性」というのは、やっている者でなければ分からない感覚ですよね。
佐藤:私自身、2016年からカルペディエム青山本部に入会してまして、一般会員として練習しながらも、道場経営やメンバーシップビジネスについて、頭の中で結構電卓を叩いてました。
会員数、人件費、家賃、その他経費などなど、経営者あるあるなんですが、その辺のラーメン屋さんに入っても計算してしまうんです。
それに、私は4年間ほど、定期的に石川(祐樹)先生にプライベートレッスンをお願いしていました。柔術を教えていただきながら、合間に道場経営のご苦労やカルペディエムのカルチャーなど、たくさんお話する機会があったんです。
――レッスンを受けながら、道場経営のアレコレを直接聞いていたと!
佐藤:私からしたら、フランチャイズをやる前に創業者のお考えに触れていましたし、石川先生の考え方に共感する部分が多かったし、何しろ柔術だけでなく、子どものことなどいつでも相談に乗ってくれる師匠なんです。
ですから、石川先生のラジオで募集を聞いて、もういくしかないと決めました。石川先生からしたら、江東区で道場やるオーナーを広く募集したら、手を挙げたのが、たまたまいつも会っている私だったというわけです。
――それは必然的ですね。そこから道場経営の準備が始まったわけですね。
佐藤:石川先生に「やります」とお伝えしてからは話が早かったです。プライベートレッスンでも長年お世話になっていますし、青山本部のカルチャーは会員目線でわかっていましたので、カルペディエムがどういう道場なのか、その確認をする必要はないですよね。
私自身、青山道場の平和さが大好きでしたので、そこを目指したいと。それもあって、石川先生に代表をお願いしました。
――カルペディエム深川は、石川祐樹代表のプロデュース道場でもありましたね。
佐藤:で、まずはスタッフですよね。ちょうどその頃、石川先生のYoutubeの動画制作で「服部くん」という人がいると。彼はいいよと。細かい事務作業やデジタルにも強い。それと何しろ一緒にいてこちらがストレスを感じない稀有な人物だと。
評判って誰が言ったかが重要で、私からすれば石川先生が言うなら間違いないという安心感がありました。
…で、実際に三人で初顔合わせしたんです。忘れもしない、西麻布の韓国料理屋さんで。そこに現れたのは、ちょび髭の怪しい男でした。正直、大丈夫かなと。いやいや、「石川先生推薦なんだから大丈夫なはず!」と自分に言い聞かせました。
――ちょび髭の怪しい男...、それは心配ですね。
佐藤:その場で具体的な仕事の打ち合わせは少しで、服部くんの恋愛事情を40半ばのおじさん二人で相談に乗るという会食になってしまいました。
でも、それで服部くんの人となりを知るには充分でした。確かにストレスにならない。しかも楽しい!その場で採用を決めました。
まだ物件も指導する先生も決まってないのに、服部くんありきのスタートだったのです。
――先日、我々も服部さんにインタビューをさせていただきましたが、おっしゃる通り、服部さんには不思議な魅力がありますよね。
佐藤:そこから服部くんには、青山本部での研修をしてもらいながら、会費納入システムの導入などをお願いしました。
物件は同時進行でした。石川先生と二人で清澄白河駅周辺を歩いたり、店舗向け不動産サイトを見たり、結構頑張って探しました。何件か内見に行きましたが、いまだに格闘技道場というと野蛮なイメージがあったり、騒音の心配をされたりで難航しました。
――格闘技には、ビル所有者が貸したがらないという話はよく聞きます。
佐藤:そんな時、カルペディエムの会員さんで不動産関係の方をご紹介いただき、その方に探していただいたのが今の物件です。広さといい、立地といい、最高でした。
その後は、これまたカルペディエムの会員さんの内装デザイナーさんをご紹介いただき、石川先生のアイデアや好きなテイストに近づけながら内装は進んでいきました。
――確かに、カルペディエムのメンバーさんであれば、どの業界であっても誰かしら精通している人がいますよね。そんなネットワークが使えるのもメリットと言えるのかもしれませんね。
佐藤:ただ、一番困ったのは、肝心のメインインストラクターです。
<この項、続く>
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