世界最高峰の戦い─黒帯カテゴリーは波乱続出、優勝候補の多くが決勝に残れず
世界最高峰の戦い─黒帯カテゴリーは波乱続出、優勝候補の多くが決勝に残れず
ムンジアル2024
IBJJF=国際ブラジリアン柔術連盟が主催するブラジリアン柔術の世界選手権・ムンジアルの黒帯カテゴリーの決勝戦は世界最高峰の戦いだ。
ここで勝利したものが、2025シーズンまでの間を“世界王者”と名乗り、ブラジリアン柔術の頂点として君臨できるのだ。
そして、今年のムンジアルは過去に例がないほどアップセットが多発していた。
大会最終日は黒帯の準決勝から行われるが、その最終日に昨年度の世界王者たちが勝ち残れずに姿を消す波乱が続出。
ルースターのタリソン・ソアレスとフェザーのサムエル・ナガイは早々に姿を消し、昨年の準優勝のタイナン・ダルプラも2回戦をDQで敗退。
準決勝に至るまでに強豪選手たちが続々と姿を消し、今年の決勝戦では新顔の世界王者が多数誕生したが、その中でもヘビーで初優勝したアダム・ワルジンスキは特筆モノの活躍ぶりだった。
アダムは今大会では圧倒的なパフォーマンスを見せ、4試合全てを一本勝ちして優勝、欧州初の男子黒帯世界王者となった。
これまでアダムは、ヨーロピアンやパンでこそ優勝経験があるものの、ムンジアルだけは優勝できず、その高き壁に阻まれていた。
それが今年ついにムンジアル制覇を達成、しかも全試合一本勝ちという圧勝ぶり。
このアダム初優勝は今年のムンジアルのハイライトの1つとして大きな話題となった。
その外にはライトフェザーからフェザーに階級アップして優勝、さらにオープンクラスでも3位入賞したメイハーン・アウヴェスの活躍ぶりも見事であった。また、ミディアムヘビーとオープンクラスで決勝戦に勝ち残るも階級別決勝戦で足首を負傷したジャンセン・ゴメスの不運は残念だった。
そして大会最終日は、場内を暗くしてスポットライトの中で行われるという特殊な舞台設定を初めて導入したこともいい試みで、その決勝戦では一本決着が多く、非常に見応えがあった今年のムンジアルであった。
黒帯ルースター決勝戦
ベベト・オリヴェイラ / GFチーム
vs
ザイード・アブドゥルナセル・アルカテーリ / アリアンシ
どちらが勝っても初優勝という決勝戦はベベトがバックから絞めを極めて一本勝ちしてついに金メダル獲得。
黒帯ライトフェザー決勝戦
ジエゴ・パト / AOJ
vs
ジョナス・アンドラージ / シセロコスタインターナショナル
アップセットが多発した今年のムンジアルの中、盤石の強さで優勝したパトは元チームメイトのジョナスを絞めで極めた。
黒帯フェザー決勝戦
メイハーン・アウヴェス / フラトレスBJJ
vs
アデミール・バヘット / GFチーム
ライトフェザーからフェザーに階級アップも驚異的な強さを見せたメイハーン、バックからの送り襟絞めで一本勝ちでムンジアル連覇。
黒帯ライト決勝戦
ミカ・ガウヴァオン / メルキガウヴァオン
vs
アンディ・ムラサキ / ATOS
ヨーロピアン、パン、ブラジレイロで優勝したミカがムンジアルも制して見事の意IBJJF4大大会のグランドスラムを達成。
黒帯ミドル決勝戦
ジャクソン・ナガイ / チェックマット
vs
フランシスコ・ロ / チェックマット
チェックマットの同門対決でガチ試合をしたジャクソンとチコ。試合はジャクソンが腕十字を極めてムンジアル初制覇。
黒帯ミディアムヘビー決勝戦
グスタボ・バチスタ / ATOS
vs
ジャンセン・ゴメス / チェックマット
グスタボが電光石火のフットロックで一本勝ちしたが、この試合で負傷したネネゴはオープンクラスで試合できずで階級&無差別とも準優勝に終わる。
黒帯ヘビー決勝戦
アダム・ワルジンスキ / チェックマット
vs
ヴィニシウス・リベラティ / フラトレスBJJ
シグネチャームーブのバタフライガードからのスイープを炸裂させ、フィニッシュはマウントからの片固めを極めたアダムが歓喜のムンジアル初優勝。
黒帯スーパーヘビー決勝戦
アンデウソン・ムニス / フラトレスBJJ
vs
エリック・ムニス / フラトレスBJJ
双子の兄弟対決は一応はガチ試合のようで、アンデウソンがヒザ十字で一本勝ちしたが、ホントのところはガチかどうかは謎。
黒帯ウルトラヘビー決勝戦
ヤタン・ブエノ / フラトレスBJJ
vs
ペドロ・アレックス / GFチーム
ヤタンがパスガードなどを決めて5-2で勝利してムンジアル初優勝で試合後は喜びを爆発させていた。
黒帯オープンクラス決勝戦
エリック・ムニス / フラトレスBJJ
vs
ジャンセン・ゴメス / チェックマット
階級別の試合で負傷したネネゴが試合できずで負傷棄権し、エリックが戦わずしてオープンクラス優勝となった。